ニューヨークのブルックリンを舞台に、
それぞれに悩みを抱えた3人の警官たちの生き様を描くサスペンス。
七日後に定年退職を控え、何事も起きないことを祈るが、
次第に面倒な事件に巻き込まれていく、
リチャード・ギア演じるベテラン警官。
家族を愛する気持ちがあまりにも強いばかりに、
凶悪な犯罪に手を染めていく、イーサン・ホーク演じる警官。
ギャング集団に潜入捜査をしているが、
仲間との間に芽生えた友情と自らの立場との間で苦しむ、
ドン・チードル演じる黒人警官。
文字通り、三者三様の物語が独立して展開し、
ストーリー的な絡みは一切ない。
ただ、同じ地区の警官ではあるので、時々ニアミスをするのだが、
それぞれのストーリーが交わることは一切ない。
そしてようやくラストシーンで、
たまたま同じ集団住宅へ、それぞれの理由で潜入することになるのだが、
そこで待っていたのは人生の最後。
ドンデン返しや頭を使う要素は皆無なのだが、
それでも惹き込まれて観てしまったのは、
三人の個性派俳優の演技のせいでもあるけれども、
社会に翻弄される警官という設定が、
そのまま我々ビジネスマンにも当てはまるからかもしれない。
狭い地区ですぐ近くに住んでいて、しかも同じ職業なのに、
お互い顔も名前も知らない者同士。
それが、都会で生活する人々の宿命というか、
哀れさ悲しさを象徴しているようだ。
三人はキレイごとの人生を送っているわけではなく、
むしろ汚れた、つまり人間らしく描かれているところもまた、
共感できる。
適正価格:1,800円(劇場換算)