映画「セッション」

 

ドラマーを目指す大学一年生が、
有名な鬼教授に才能を見いだされて、彼のジャズバンドに入団。

文字通り地獄のような特訓と、
挫折、和解、誤解・・・様々な葛藤の果てに、
最後は自身の腕で信頼を勝ち取る、というお話。

いわば「アメリカ版 スポ魂モノ・音楽編」といったところ。

別にドラムじゃなくてどの楽器でもよかったような気もするけれども、
原題の「Whiplash」は、劇中の曲のタイトルであると同時に、
「ムチ打ち」(「Whiplash injury」といえば、「ムチ打ち症」)の意味もあるし、
激しく演奏するという視覚的効果を上げるには、ドラムが最適だったと思う。

所詮映画なので、「こういう音楽指導法は・・・」なんて説教臭いことを言うつもりはないけれども、
とにかく、教授役のJ・K・シモンズの鬼気迫る演技が、凄まじい。

「音楽をやる人間はマゾヒストである」と語ったのは、
確か三島由紀夫だったと思うが、

でも、教えてる方はサドなんじゃないの?結局サドとマゾは紙一重なの?とか、
まぁ色々と考えさせてくれた。

とにかくストーリーのテンポがいい。
劇中で何度も語られる「音楽におけるテンポの重要性」と同じく、
映画でもテンポの良さは不可欠。

何を観れば良いか迷ったら、観ても後悔することはない作品だと思う。

特にラストには、音楽をテーマにした映画ならではの、
最高の見せ場が用意されている。

適正価格:2,000円