「古文書に見る江戸犯罪考」(氏家 幹人)

 

いまも昔も、悪い奴が考えることは大抵同じで、
江戸時代なのに、、というサプライズは特にない。

特に興味深かったのは、犯罪そのものについてよりも、
牢に入れられてから、死罪になるまでの過程についてで、

海外の映画とかではよく、
死刑当日の状況とかを詳細に描写したものがあるけれど、
(ショーン・ペン主演の「デッドマン・ウォーキング」とか)

江戸時代がどうだったかというのは、
あまり史料とかでも見かけないので、なかなか興味深かった。

名前を呼ばれ、縄をかけられて牢から出され、
担当の役人に引き渡され、刑場に連れていかれ、目隠しをされ、
後ろから数人に抑えられて、そして斬首の刀が振り上げられ・・・。

刑場には血を流すための「血溜」という穴が地面に空いていて、
普段は蓋がしてあるとか、
「土壇場」という語の由来は江戸時代の死罪にあるとか、
日常ではない裏側の世界を描いた本は、いつ読んでも刺激的である。