これは一般相対性理論のと宇宙物理学の歴史についてまとめた本で、
新鮮な話はほとんどなく、
新説を期待していた自分としては、やや期待外れの結果となった。
しかも、たとえばインフレーション理論やハッブルについての言及が、
ほんの2~3行で片づけられてしまったりと、
内容のバランスを欠いているように思われ、そこも不満。
ただ、現代の宇宙物理学においてアインシュタインの重力理論が、
どのような立ち位置にあって、
そしてどのような課題を抱えているのかについて、
最後の2章で知ることができて、そこはプラスだった。
それにしても、「General Relativity」という語は、
日本語で「一般相対性理論」と言われるよりも、
重みというか威厳がある。
量子論の方が割と進んでいるように思えるのに対し、
重力論の方はやや行き詰った感があるのは、
どうしても否めない。
アインシュタインの理論がまるっきり間違えだとは思わないが、
この本の筆者も述べているように、
勇気をもって見直すことが必要なのだと思う。
とはいえ、まずは重力波を捕捉するということが、
新しい理論の第一歩であることは間違いないだろう。
そして量子重力論を完成させること。
これは現代物理学の悲願でもある。