まずは最近の映画について一言。
まぁ今更なのだけれど、3DとかIMAXだとか4DXとかって、必要ないね。
そんなものは、映画業界がなんとか付加価値をつけるために編み出した苦肉の策で、
映画を楽しむ上では、何ら関係ない。
あんなヘンなメガネを装着したところで、
駄作が名作になるわけでもないし、
これからは、従来どおりの平面スクリーンで映画を楽しむことにした。
そんなことを思っているうちに、さらに「auスマートパス」の会員になれば、
1,800円の映画はいつでも1,400円で観られるということを知ったので、
早速登録。
月額費が300円だか400円だったから、
月に1本鑑賞すれば元がとれることになる。それ以外にも特典あるし。
※これは宣伝ではありません。
ということで、まず観に行くことにしたのが、この映画。
監督はスピルバーグ、脚本はコーエン兄弟、主演はトム・ハンクス、
さすがにハズレはないだろうというメンツ。
うん、確かによくできた映画だった。
トム・ハンクスという役者はあまり好きではないので、
いつも最初はあーあ、というカンジになるのだけれども、
なんだろう、役者とキャラクターが一体化する感覚というか、
観ているうちに、この人じゃないと演じられない、と思えてくるのは、
やはり優秀な俳優なんだと実感した。
ストーリーもカメラ・ワークもキャスティングも文句はない、
映画としては上出来なのだけれど、ひとつ根本的な不満があって・・・。
それは、
この映画は、米ソ冷戦下における捕虜スパイの交換の話なのだが、
明らかに、というか、極端に「米>ソ」というのを前面に押し出しすぎているということ。
ひと昔前ならまだしも、
なぜ今頃になって、ソ連を叩いて相対的にアメリカの価値を上げるような映画を作る必要があるのか。
んーー、こういういかにもアメリカ国粋主義の映画というのは、
やはりアメリカが弱っている証拠なのかな、と勘繰りたくもなるし、
こういう形でナショナリズムを突きつけられると、ちょっとした不快感もある。
映画という表現形式が、ある程度の政治色を帯びるのは避けられないとしても、
ここまで露骨だとシラけてくるというか。
そもそもアメリカという国の歴史自体が、
常にアンチテーゼを配置することで、己の価値を相対的に高めてきたのだから、
仕方ないといえば、仕方ないのだけれども。
でも映画ファンとしては、そんなものは持ち込んでほしくないのである。
だったら、エイリアンやゾンビに喰われるのを見ている方が、
映画としては健全なのではなかろうか。
適正価格:1,400円