ちなみに、「リサージェンス(resurgence)」というのは、「復活」って意味。
要するに20年前のエイリアンがリベンジに来て、さぁ大変、というお話。
いきなりダメ出しで申し訳ないのだが、
この「さぁ大変」の部分が、イマイチ描ききれていない。
「2012」を彷彿とさせるようなド派手な映像は盛りだくさんなのだけれど、
前作のような、朝起きて、ウィル・スミスが空を見上げると、
巨大円盤がバーン
みたいな、あのストレートな恐怖表現が、ない。
確かに、映像やディテールの表現は格段に進歩してるんだけれど、
木を見過ぎて森を見失った典型例だろう。
まぁ、基本は20年前を懐かしむ映画ということ。
映画自体はもちろんなのだけれど、
20年前は、前作は誰と観に行ったんだっけ、とか、
20年間で自分はどう変わったかな、、などと、
映画館の暗がりであれこれ考えているうちに、
退屈な前半はあっという間に過ぎ、気付いたら夢の中へ・・とはならないように。
でも実際、退屈なシーンが多い。
前作では、この先どうなるか分からない緊張感みたいなものがあったのだけれど、
今回は余裕というか、細かいストーリーや意味のない人物・挿話が出てきたりして、
集中力を削がれる。
20年ぶりの2作目だから、前作からの成長のあとを見せようとするのは分かるけど、
そこはストレート勝負でよかったのではないでしょうかね、>エメリッヒ監督。
ちなみに、ウィル・スミスは事故死した設定で登場せず、
その息子役がエース・パイロットとして出演。
彼含めた、若手役者陣が、学芸会レベルの演技で、
前作から登場のジェフ・ゴールドブラムや、ウィリアム・フィクナー、シャルロット・ゲンズブールらのベテラン陣が、
うまくサポートする形になっていたのは救いかな。
前作の大統領はすでに引退していて、
女性大統領になっている設定なのが、
ヒラリー・クリントンを想定しているのか?とか思ったのだけれど、
彼女も中盤で・・(これ以上は書きません)。
個人的には、ウィリアム・フィクナーが出てきたのがサプライズ。<br
しかもまさに御誂え向きの将軍役ということで、
タナボタで大統領代理になるのも、二度目のサプライズ。
でもまぁ、老けたよな・・・
この人は20年前は、ケヴィン・スペイシーの名作「アルビノ・アリゲータ」にも出ていて、
それがこの人を初めて観た作品だったけど、
またスクリーン越しに会えたたのも何かの縁。
いつまでもヒトクセある役で頑張ってほしい。
結局、この映画、前作のハードルが高すぎることもあり、
ダメ出しするところしか見つからないなぁ・・
最後はゴジラばりの怪獣映画になっちゃってるし。
冒頭で、前作の大統領演説の名シーンを、コラージュみたいに流してたのが、
なんかケミカル・ブラザーズのステージを観てるようで新鮮だったけど。
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