20年前に観たときには、「これは人生で5本の指に入る映画だわ」と思ったけれど、
それからの鑑賞作品数が劇的に増えた今でも、
その思いは変わっていない。
当然、DVDも持っているわけだけど、
久々に観ようとしたら、うまく再生されない・・・。
CD同様、円盤媒体というのはやはり劣化するので、
これからはデジタルデータで保管しなくてはいけないんだなぁ、と痛感。
とはいえ、観たい欲求は抑えきれず、レンタルすることにした。
やぁ、久しぶりに見るせいか、新鮮。
なんといっても、ケヴィン・スペイシーが若い!
この頃のケヴィン・スペイシーは、「セブン」とか「L.A.コンフィデンシャル」とか、
傑作ミステリーの常連だったけど、最近ではほとんど見かけなくなった。
またこの頃とは一味違った演技を見せてほしいところだ。
さて、この作品をあらためて見直すと、
「カイザー・ソゼ」という「虚構の絶対的恐怖」を、
被害者も捜査側も意識をせざるを得ない状況に追い詰めてゆく、
犯人の高度な心理作戦が見ものだ。
別に特殊なトリックは何もないし、
犯人は常に「そこにいた」のである。
でも他人の注意力を、自分から逸らし、
「カイザー・ソゼ」という存在へと集中させていくその流れが、
この作品の生命線であり、トリックでもある。
やはり、この作品を観ずしてはミステリー映画は語れない傑作である。
適正価格(劇場換算):2,200円