物理を数式を使わずに語ると、
こんな風に哲学めいてきますよ、という見本のような本。
僕みたいな、おいしい所を齧っただけの物理素人には、
ニュートン力学や相対性理論はかろうじて理解できるけど、
その間を埋める、ライプニッツの思想とか、
マッハ流の関係力学となると、なかなか理解に苦しんだ。
ただ、著者自らも認めているとおり、
量子力学への言及がやや少なかったのと、
「時間の謎」とタイトルに銘打つからには、
時間にはなぜ非可逆性がなのか、という最大の謎には、
ぜひ踏み込んで欲しかった気もする。
とにかくこの本は、ライプニッツとマッハ力学。
これらのキーワードにピンときた人には、
読んでみる価値は十分にあるだろう。