「日本の酒」(坂口 謹一郎)

 

名著と評判の当書を、ようやく読んでみた。

日本酒の歴史から始まり、
他の酒との比較、製法、そして科学的分析、
著書の酒に対する愛が溢れた、確かに名著だった。

書かれている内容はそれほど平易ではなく、
特に菌や製法の話になると、
専門知識がないとちょっと難しい部分も多いのであるが、

それでもスラスラと読ませてしまうのは、
著者曰く、名酒とは、

「喉にさわりなく、水の如く飲める酒」

である、というのとまさに同じことで、

これはさわりなく頭に入ってくる著作、すなわち名著、
ということなのだろう。

とにかく、読んでると日本酒を飲みたくなるし、
読んだ後は、日本酒の楽しみ方も少し変わってくるかな。

我々の祖先が、いかに酒を大切にし、
そこに叡智をつぎ込んできたか。

日本酒を語ることは、すなわち日本の歴史と文化を語ることでもある。