サイズの異なる動物同士は、
何が同じで、何が異なっているのか。
「サイズ」という視点から、
生物学の魅力を語った名著。
いやー、とにかく面白い!
観測結果と、高1レベルの簡単な数式とで、
ここまで深い考察に達することができるのかという驚きとともに、
シンプルな理論ほど正解に近いのだという、
科学の基本法則をあらためて認識できた。
大部分は脊椎動物について書かれているのだが、
昆虫について書かれた章では、
体長が大きくなるほど気管が長くなり、脱皮に不利になるために、
極端に大きい昆虫がいないのでは、という推論を展開したり、
また最後の棘皮動物についての章では、
これはもう章丸ごとがamazingな世界であり、
その他、レイノルズ数と体長の関係など、
10代の頃にこの本に出会っていたら、
おそらく自分の進路も違っていたのではないかという、
それぐらいの強烈な一冊。
文科省認定の教科書なんかやめて、
この本を使って授業をするような学校があってもいいと思う。
僕が教師なら、絶対そうするかな。