大好きなカンディンスキーによる絵画論なので、
期待して読んだのだけれど、これがなかなか手ごわかった。
まずは点を定義し、次に線、そして面という構成は、
明らかに幾何学の聖典ともいえる、
ユークリッドの「原論」を意識していると思われるが、
ここでカンディンスキーは、
幾何学をベースにいかにして芸術を作るのかにテーマを絞り、
多くの図説を交えながら、論理的に話を展開していく。
ただところどころ、幾何学的な説明だけでは飽き足らず、
音楽や温度に喩える部分があったりして、
それはそれで、カンディンスキーらしいとも思う。
それにしても、文章は難解。