アン・ハサウェイ主演のサスペンスの方は、「パッセンジャーズ」(原題:Passengers)、
こちらは、「パッセンジャー」(原題:Passenger)。
紛らわしい。
恋愛要素を前面に出したSFなんて、
おでんにケチャップをかけるようなものだぜ(意味不明)と、
ハナから酷評してやろうと思っていたのだが、
これが意外と、なかなか楽しめる作品だった。
以下、新作にもかかわらず、無慈悲にもネタバレします。
凍眠した乗員・乗客5,000人以上を載せた宇宙船コヴェナント、いや、アヴァロン号が、
系外惑星へ向かう約200年の航路の半分ぐらいのところで、
小惑星群に突入してしまい、その衝撃でシステムエラーが発生する。
そのエラーにより強制解眠させられたのが、主人公のジム。
凍眠ボケから覚めて、宇宙船を歩き回るうちに、
自分はミスで解眠させられたのであり、
死ぬまでここで孤独に過ごさなくてはならないのか!と絶望する。
唯一の話し相手は、船内のbarにいたバーテンアンドロイド。
でも所詮はアンドロイド。
「今の境遇を楽しむべき」と言われて、
豪華宇宙船の娯楽設備で享楽するが、次第にそれも飽き、自暴自棄になる。
そんなとき、凍眠カプセルの中に、眠れる美女(オーロラさん)を見つけた。
そうだ、このコも解眠させて二人でラブラブで過ごせばいいんじゃね?
という邪念が湧くが、
いやいやいやいや、それは人としてサイテーでしょ、
でも一人で過ごすのも限界だし、、、という心の葛藤と闘うことになる。
バーテンアンドロイドにも相談するけれど、回答は得られず、
まぁ結局は、解眠させてしまう。
混乱するオーロラさんに対して、
「どうやらエラーで起きたのは俺たちだけみたいなんだよね・・」
という嘘を言って、自分はイイ人キャラで通していく。
ジムがイケメンじゃなかったらどうだったのか、というのはあるけれど、
当然、二人は恋愛関係になりますわな。
オーロラさんも自分の運命を受け入れて、
よっしゃ、彼女の誕生日にプロポーズだぜ、と気合を入れて指輪まで作ったジムだったのだが、
例のバーテンアンドロイドが、
実はジムがオーロラさんのことを解眠したのだと、ポロっとバラしてしまう。
混乱するオーロラさん。
あんなにラブラブだったジムに、「サイテー、人殺し」とキレまくり(そりゃそうだ)、
ジムの努力も空しく、こりゃもうあかんな・・・となったある日、
「こんな所に樹を植えたのは誰だ!」
という船内アナウンス。
どうやら甲板長もシステムエラーでお目覚めらしい。
(でも目覚めて第一声がそれって、他に言うことあるだろ・・)
とにかくシステムエラーの原因を探ろうと3人で手を尽くすのだけれど、
甲板長はあっけなくご臨終。
けれどシステムエラーの方はますますひどくなり、
このままでは宇宙船が爆発する!となったときに、
ジムが体を張って、救うというお決まりのパターン。
そしてオーロラさんも惚れ直す。
しかも生命維持装置を改良すれば、
2人のうちどちらかだけは再度凍眠に入れるということが分かり、
当たり前だが、ジムはオーロラさんが入るべきだと言い、
迷うオーロラ。
サイテーだけど好きになった男と宇宙船でこのまま過ごすか、
それとも無事惑星へ行って、夢をかなえるか。
さて、彼女の下した決断は・・・・!
ここまでにしておきましょう。
劇中では結末が描かれて、終了となります。
この映画の何が面白かったのかを考えてみると、
とにかく、コヴェナ、、いやアヴァロン号の設備が超豪華であること。
宇宙船で孤独を味わう映画は、このブログではもはやお馴染みなのだけど、
ほとんどすべてが、6畳一間みたいなところで、
むさくるしい男が一人で孤独と闘う、っていうパターン。
それがこの映画ではまるで逆。
誰にでも、ディズニーランドを貸切にしたい!みたいな妄想があるのと一緒で、
映画もプールも高級グルメもスイートルームも、全部使い放題。
しかも、掃除とか面倒なことは全部ロボットがやってくれるし。
そんでもって美女まで手に入れるわけだからね。
仕事もしなくていいし、考えようによってはサイコーな生活のわけです。
そういうおとぎ話みたいな部分がベースにあって、
あとはお決まりのパニック要素とか宇宙の描写とかちりばめれば、
エンターテイメントとしては十分楽しめる作品の出来上がり、といったカンジかな。
ジムを演じたのはクリス・プラットで、
こないだのジュラシック何とかで主演だった彼ですね。
恐竜と闘ったり、宇宙に行かされたり、
随分と大変そうですが、何のお仕事をされている方なのでしょうか。
オーロラさんは、もはや説明不要のジェニファー・ローレンス。
完璧な美人ではないけれども、
こういうちょっと愛嬌のある顔が最近人気みたいですね。
スカーレット・ヨハンソンとか。
甲板長は、お馴染みのローレンス・フィッシュバーン。
この人が出てくると、一気に締まる。
そして実は、アンディ・ガルシアが出ているのだけれど、
最後の一瞬だけで、これは笑った。
ということで、ちょっと日常からかけ離れたいとき、
深く考えずに単純なストーリーと映像を楽しみたいときには、是非オススメ。
適正価格:1,800円(劇場換算)