「地球46億年 気候大変動」(横山 祐典)

 

サブタイトルは、
「炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来」。

ブルーバックスって、
何となく高校生向けの科学一般書というイメージが強くて、
この本もそのつもりで気軽に手に取ってみたのだけれど、
なかなか専門的でヘヴィーな内容だった。

人間の活動に起因する二酸化炭素の増加により、
地球気候が温暖化しているのは疑いようのない事実だが、

けれど、それ以外の原因によっても、
長期的・短期的な気候変動を地球は過去に繰り返し、
そしてこれからも繰り返すわけで、

そのメカニズムについて、
地球内外のあらゆる事象のひとつひとつを詳細に解説している。

ただ、
例えば「地球酸化イベント」とか「ミランコビッチサイクル」とか、
あるいは「スノーボールアース」とか、

それだけで1冊の本が書けるような内容を、
わずか数十ページずつで語るわけなので、

紙面の都合上、本当にエッセンスだけにしか触れられないことが、
この本を難解にしているのだと思う。

もう少しトピックスを絞り込んだうえで、
余裕をもって解説してくれた方が、
分かり易かったのかもしれない。

そんなわけで、内容は濃密だが、
入門書としてはあまりオススメできないかな。

ここに書かれているような内容を既に学んだことがある人が、
その知識や理解を確認するために読む本というイメージ。