ドイツ音楽歳時記―民謡とバッハのカンタータで綴る

 

謝肉祭や復活祭、クリスマスといった、
キリスト教的な記念日・行事が、

ドイツではどのようにとらえられ、
そしてそれがいかなる形で民謡に表現されているか、

さらにはそのエッセンスが、
バッハのカンタータやコラールにどのように取り込まれているのか、を綴った本。

紹介されているほぼすべてが、バッハ、
しかもごく限られたジャンルの声楽作品なので、
タイトルの「ドイツ音楽歳時記」というのはさすがに言い過ぎかな。

民謡のこれこれの部分をバッハがうまく取り込んだ、
という記述が何か所かあるのだけれども、
音楽の本であれば、少なくともメロディ部分の譜面ぐらいは掲載して欲しいし、

全体的に著述の流れが均一化されすぎで、
申し訳ないが退屈で文章に面白みがない。

あとがきに書いてあるように、
もともとはNHKのテレビ番組がベースだったようなので、

やはり映像と音がなければ、
文字だけではここに書かれた内容は伝わらないと痛感した。