「世界のビジネスリーダーがいまアートから学んでいること」(ニール・ヒンディ)

 

ビジネスとアートの、思考・指向の共通点について、
多くの事例の紹介とともに、熱く語った一冊。

実際、僕も絵画・音楽・文学にはずっと興味があって、
それらの共通点を抽出して系統立てたい、というのが、
このサイト(ukiyobanare)の目的だったりするのだけれど、

確かにそれらを嗜んでいることで、
仕事の面で助けられた経験は多々あって、
その意味ではなるほど、と思う反面、

でもこの本を読んで、今までアートと無縁だった人が、
「よし、仕事に役立つなら明日からアートに触れてみよう」と思っても、

そもそもアートは他人から勧められるのではなく、
自分から好きにならないとまったく身に付かないのではないか、とも思う。

まぁでも、社会人が絵を描くのを学ぶのは難しくても、
絵画の鑑賞方法を習得することは、十分に可能だ。

この本の中で、ビジネスとアートに共通するスキルとして、
「観察」と「関連付け」が紹介されているが、

「観察」とはまさに絵画の鑑賞などを指すもので、
ただ漠然と眺めるのではなく、
感じたこと、得られたことを、きちんと言葉で説明できるようにすること、

それがすなわち仕事においても、
本質を見抜き、プレゼンするという能力に直結するのだと思う。

「関連付け」も同様で、
絵画の鑑賞方法が分かったら、
今度はそれを、音楽だったり文学作品だったりに敷衍してみることで、

頭の中の複数の回路がそれぞれつながり、
ビジネスにおける発想の際の武器となる。

「関連付け」に関していえば、
Webにおけるハイパーリンクというものこそが、
そのメソッドのひとつであって、

僕も本来はこのサイトの中で、
僕の中にある複数のジャンルの知識・興味を、
リンクさせて体系化したいわけなのだが、

残念ながらまだ羅列に終始しており、
どのような形にするかは、まだ長い模索の途中にいる。