酒の歴史を書いた本は数多くあるけれど、
これは「酔っ払い」の歴史。
古今東西、人々がいかに酒と付き合い、
そして酒に溺れてきたかを、
軽妙な文章で綴っている。
個人的に意外だったのは、
オーストラリアという国の成立には、
(案の定)酒が関わっているのだけれども、
それはビールでもワインでもなく、
ラムだということ。
そして近現代のネタとしては、
イギリスのジン、ロシアのウオッカが、
権力によって民衆を操るために用いられた話なんかも、
興味深い。
でもやっぱり強烈なのは、
古代のギリシャ、ローマ、エジプトにおける激しい飲みっぷりかな。
ヒトが定住を始めたのは、
農業のためではなく醸造のためだという説も、
案外的を射ている気がする。