もうかれこれ二ヵ月ほど、
寝る前の空いた時間に、
『枕草子』をちびちびと読み進めているのだが、
日記風に宮中のエピソードを紹介しているタイプの段では特に、
わざと悪文、というか分かりづらい文章を書いて、
読者を混乱させようとしているのではないかと思えるぐらい、
とにかく難解すぎる。
当然、現代風に句読点や「」が付せられているからまだしも、
もしそれらがなければ、3日ももたずに挫折していただろうと思う。
一方、150段目あたりから、
「●●なもの」というシリーズが続くのだが、
ここは滅法面白く、
清少納言は、ウケを狙って書いているのでは?
と思えるぐらいなのだが、
難解な箇所との落差が極端すぎて、
そういうところが、この人のセンスなのかな、と。
例えば、154段目、
「見るにことなることなきものの文字に書きてことごとしきもの」。
要するに、「見た目は大したことないけど、字面をみると大袈裟なもの」
って、まぁこの言い方自体がすでに「ことごとし」なわけですが、
清少納言さんは何を挙げているかというと、
いちご。つゆくさ。水ふびき。くも。くるみ。
説明が難しいけれども、じわじわくるのが分かっていただけるだろうか。
さらにこう続く。
文章博士。得業の生。皇太后宮権大夫。山もも。
「山もも」を「いちご」のすぐ後に持ってこないで、
最後、しかも「皇太后宮権大夫」の次に配置しているのなんか、
絶対に「オチ」をつけているとしか思えない。
そして、155段目は、
「むつかしげなるもの」(あまり気持ちよくないもの)。
猫の耳の中。
って、
別にそんなもん、わざわざ見なけりゃいいじゃないw
さらに156段目は、
「えせものの所得るをり」。
つまり、「つまらないものが幅を利かせている時」として、
正月の大根。
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ひとり大喜利ご苦労さん、というか、
全編この調子で書いてくれれば、
さらに傑作としての評価が上がったかもしれないのに。
まだ半分ぐらいしか攻略できていないので、
今年は『枕草子』で年越しかな。