ギリシャ・フランス・アイルランド・オランダ・イギリスの合作で、
結論から言うと、これはかなりの当たり作品。
今年観た中では、間違いなく5本の指に入る。
ざっとストーリーを紹介すると、以下の通り。
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妻に愛されていないことに気付いたデヴィッド(コリン・ファレル)は、
婚活サービス(?)に登録し、ホテルで集団生活をすることになる。
ただこの婚活サービスがブッ飛んでいて、
45日以内にパートナーを見つけないと、
動物へと姿を変えられてしまう。
また、ホテルから周囲の森に脱走することになれば、
狩猟の対象として、狩られることになる。
デヴィッドは、何とか期限内に、
半ば無理やりパートナーを見つけて、
めでたくダブルルームでの2週間のお試し生活を開始するのだが、
相手の猟奇的とも言える性格に馴染むことができず、
遂に森へと逃げ出してしまう。
森では、同じく逃げ出した連中が、
厳格なルールの元、集団生活を送っているわけだが、
デヴィッドはそのルールを破り、
一人の女性(レイチェル・ワイズ)と恋してしまう。
二人は森を抜け出し、町で暮らそうとするのだが、
それに気付いたリーダーに罰を受けることとなる。
何とか町へと辿り着いた二人だが、
最後の最後のシーンで、とんでもない試練が!
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いやぁ、ストーリーが斬新で、
役者陣の演技も魅せてくれるし、
なんといっても、ラストシーンが、、、強烈だなぁ。
森で結ばれた主人公たち二人は、
「近視」が共通点なわけだが、
これが最後までああいった形で引っ張られるとは、
想像すらしなかったし、
「恋愛」と「近視」というのもメタファーになっているというか、
あれこれと考えさせてくれる映画。
いかにもヨーロッパ映画らしく、
テーマに十分な重みがありつつも、
全体的にブラックユーモアな雰囲気が勝っているために、
何ともいえない、独特な感覚で作品に惹き込まれてしまう。
ちなみにタイトルの「ロブスター」は、
デヴィッドがホテルの支配人に、
「万が一あなたがカップルになれなかったら、
何の動物になることを希望する?」
と尋ねられて、「ロブスターで」と答えたことによる。
ヨーロッパ映画が苦手な人にも、
これはぜひオススメしたい。
適正価格(劇場換算):2,300円