秋深き隣は何をする人ぞ(芭蕉)
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芭蕉翁に限らず、
特に、狭いマンション・アパートを強いられる東京人にとって、
隣人との関係は、気にせざるを得ない問題である。
幸い我が家は、楽器演奏用のマンションなので、
(おそらく)それほどヤバイ人はいないだろうし、
気になるとすれば、「隣は何を弾く人ぞ」ぐらいかな。
さて、この映画。
娘を交通事故で失くしたショックを癒すために、
郊外の別荘にやってきた主人公の弁護士一家。
そこに「隣人」と称する一家が現われる。
こいつらが、とんでもないサイコ家族で、
主人公一家を乗っ取ろうとするお話。
自分達のプライベートにさりげなく土足で入ってきて、
気が付いたら泥だらけにされてるみたいな、
怖さと不快感が半々の感情を掻き立てるという意味では、
よくできている部類の映画なのだろう。
隣の家族は、ぱっと見、善良そうなのだけど、
最初は、なんか少しヘンだ、、から始まり、
次第に、うわ、ヤバイ、と変わっていく、
その「不快感のシフトチェンジ」がこの映画の見どころですかね。
敢えて彩度を落とした映像や、
お互いの内面を探るような会話のやりとりも、
カナダ映画ではあるが、ヨーロッパ映画に近い感覚。
適正価格(劇場換算):1,600円