2012年のロシア映画。
各種サイトの紹介やこのジャケ写のせいで、
「SF」だと捉えられるのかもしれないけれど、
僕的には、
この映画には「Science」の要素がないので、
少なくとも「SF」ではなく、
社会派のサスペンス&ドラマ、
という感じかな、と。
内容は結構ユニークで、
人の欲求が「広告」にコントロールされている、
ということを、ストレートに描いている。
まぁ、映画作品として稚拙な部分は多いものの、
メッセージはなかなか強く伝わってくるので、
それほど嫌いではないかも。
ざっとストーリーを紹介すると、
以下のとおり。
人々の痩身願望により、
苦境に陥ったモスクワのファーストフード業界は、
「痩身は罪である」という、
いわば「逆張り」の刷り込みを行うことで、
売上を伸ばすことに成功した。
そんな広告業界のやり口に嫌気がさし、
被害を受けた主人公は、
自らも広告業界のトップを走っていたにもかかわらず、
引退して田舎に引き籠ることになる。
ここまでは割と、
ドラマ色が強いのだが、問題は後半で、
牛飼いをしながら日々を過ごす主人公が、
人に見えないものが見えるようになるという、
オカルト的な儀式を経て、
再びモスクワに戻ってみると、
広告を見て欲望に取りつかれた人々に巣食う、
モンスターを目にすることになる。
(おそらくここがSFだとされる理由かと)
この醜い現実を打破するため、
主人公は、まさに前半で行われたような、
「逆張り」の広告手法によって、
モンスターに食い物にされている大企業を、
打ち負かすことに成功するが…。
いかにもロシア映画らしく、
「レーニンによる共産主義のアピールこそが、
広告の始まりである」
というような骨太な(?)主張があったり、
適度なお色気シーンもあったり(ここ重要)、
B級映画感は満載だけれども、
ハリウッド映画にはないメッセージ性というか、
現代社会に対する風刺みたいなものが、
繰り返すけれども、
僕は嫌いじゃない。
適正価格(劇場換算):1,500円