2005年、BBC制作の、
ドキュメンタリー調SFテレビ映画。
粒子加速器の開発に携わる科学者が、
「粒子加速器は地球を滅ぼす危険があるのでは?」
という声が上がる中、
ロンドンからニューヨークへと向かう途中に、
地球を滅亡させる4つのシナリオに出くわす、
というオムニバス。
1話につき15分弱で、各シナリオごとに、
地球滅亡の「原因」を描く部分以外は共通にするなど、
明快な構成となっている。
地球滅亡の4つのシナリオは以下の通り。
1.
大地震によるラ・パルマ島の崩壊による大津波
2.
小惑星の落下
3.
ウィルスによるパンデミック
4.
この作品の主人公が携わる、
粒子加速器による事故
ひとつずつコメントしよう。
1.
大西洋に浮かぶラ・パルマ島が崩壊した場合、
ヨーロッパとアメリカ東海岸には、
確かに大きなダメージがあるだろうが、
世界が滅亡するレベルの津波ということは、
まずあり得ない。
2.
これは普通にあり得る。
実際、地球滅亡のシナリオの本命としては、
これだろう。
3.
この作品の製作は2005年なのだが、
「コロナ・パンデミック」である2020年の「いま」、
を予言した内容になっていて、
これが一番印象的かな。
ただ、ウィルスで世界が滅亡するほどかと言われれば、
それはちと大袈裟。
4.
これもないなぁ。
粒子加速装置だけでブラックホールができたり、
地球を滅亡させる現象が生じるというのは、
非現実的。
ということで、
あまりリアリティもなく、
リアリティがあるものについては目新しさがなく、
これといって褒めるべきところはないが、
やはり「3」のパンデミックについてだけは、
コロナ禍の「いま」があるだけに、
興味深く観ることはできた。