映画「マージン・コール」

2011年のアメリカ映画。

投資会社の最悪の1日を描いた金融ドラマで、
リーマン・ショックを題材にしているらしい。

とある投資会社では、
定期的に社員の大量解雇を行っていた。

この日解雇されることになった、
リスク管理部門のエリックは、

去り際に、大事なデータの入ったUSBメモリーを、
部下のピーターに託す。

そのデータをピーターが解析したところ、
自社の保有する投資商品が、
間もなく大損失を生むだろうことを発見。

そこから緊急の重役会議が招集され、
夜通しで、「売り」に出るのか、
いや、そもそも売れるのかなど、
今後の対応をあれこれと検討し、

いよいよ夜が明けて、
マーケットが開くのだが…。

ストーリーとしての起伏はあまりないものの、
「運命の1日」を前にした、
金融戦士(?)たちの緊張感が伝わってきて、
なかなか興味深い。

ストーリーよりも、
社内の人間関係のあれこれを味わう感じかな。

たださすがに、
2週間前からヤバイ兆候が出ていて、

且つ、ちゃんとしたリスク部門があるのなら、
もう少し対処しておけよ、、とは思ったが、

でもまぁ、みんなそれができなかったから、
実際にリーマン・ショックが起きたわけだし。

俳優陣が個性的なのも、
この映画の見所のひとつで、

解雇されたエリック役は、
今やジェイソン・ステイサム、マーク・ストロングと並ぶ、
「三大禿俳優」と勝手に呼んでいる、
スタンリー・トゥッチ。

ピーター役は、
今の『スター・トレック』のスポックを演じる、
ザカリー・クイント。
(顔が特徴的過ぎて、もはやスポックにしか見えないw)

あの事件の前までは、
僕のお気に入り俳優の一人だったケヴィン・スペイシーは、
やはり貫禄の演技で見ごたえ十分。

重役の一人を演じたサイモン・ベイカーは、
軽薄な役をやらせたらピカイチだし、

社長(?)役を演じたジェレミー・アイアンズは、
言わずと知れた名優。

そして個性派のポール・ベタニーに、
あとデミ・ムーア。

ひと癖もふた癖もあるこれら俳優達の演技を見るだけで、
映画ファンならきっと満足なはず。

惜しむらくは、
もう少し脚本を練りこんで欲しかったかも。

適正価格(劇場換算):1,600円