2017年のイギリス映画。
シリアの首都ダマスカスを舞台にした、
イスラエルのスパイの活躍を描くという、
かなり異色の作品。
スパイ映画といっても、
あのシリーズやあのシリーズのように、
非現実的なスパイ・グッズが出てくるわけでもなく、
また物語の時代設定も、
ベルリンの壁崩壊時ということで、
ケータイはおろか、
インターネットすら出てこず、
昔ながらというか、
ある意味かなり硬派な出来となっている。
ストーリーとしては、
イスラエルのスパイ組織「モサド」に所属する、
主人公のアリが、
ドイツの実業家のフリをしてシリアに潜入し、
エンジェルと呼ばれる仲間を救い出すというものだが、
騙し騙され、
そしてラストにもドンデン返しがあって、
なかなか凝った脚本かと。
それにしても、
スパイが女たらしとして描かれるのは、
もはやお約束(?)なのと、
シリアって国は、
政治的・民族的・宗教的、そして地理的にも、
非常ーーに、複雑というか、
いま世界で一番不可解な地域のひとつ、
と言っても良いだろう。
そんなシリアを舞台にした意欲作というだけでも、
一見の価値はあると思われる。
適正価格(劇場換算):1,500円