2010年のアメリカ映画。
大学教授のジョン(ラッセル・クロウ)は、
妻と息子の3人で平和に暮らしていたが、
ある日、自宅に警官が押し入り、
殺人容疑で妻が逮捕されてしまう。
ジョンは男手ひとつで息子を育てながら、
妻の無実を信じつつ、
面会のために刑務所へと足繫く通う生活を続けるが、
妻を釈放させるのが難しくなったのを悟ると、
脱獄させて海外へ逃亡する計画を立て始める。
後半は、妻を脱獄させるために、
ワルに頼んで偽造パスポートを作ったり、
そのワルの家を襲って金を奪ったりと、
テンポ良くストーリーが進み、
いよいよ、偽の診断書で妻が病院へ移送される隙に、
妻を救出(?)して、逃亡する作戦に出るが…。
『すべて彼女のために』という、
フランス映画のリメイクらしいのだが、
オリジナルは未見なので、
あくまでこの作品のみでの感想を。
一言でいえば、リアリティーがない。
妻が無実であると信じるならば、
正式な手続きでそれを証明するようにすべきだし、
実際、物語の終盤で妻を逮捕した警官自身が、
それを試みているわけだが、
その過程を飛ばして、いきなり、
脱獄させるぜ!
となっても、強引というか、
主人公が大学教授のわりには、
知性のかけらもない。
妻役の女優も、
無実の罪で収監されているわりには、
演技に切迫感がないというか、
夫は妻に面会しても、
事件のことを詳しく聞こうともしないし、
あれこれと不自然な部分ばかりが目立つかな。
まぁ、ラッセル・クロウが主役の時点で、
知的なサスペンスというよりも、
アクション色が強いだろうことは想像していたが、
細かいことは気にせずに、
勢いでストーリーを楽しむ系ですかね。
どうせなら、
もっとアクション路線に振っちゃえばよかったのに。
適正価格(劇場換算):1,000円