「ハンドブック」というと、
常にピアノの横に置いて、
練習しながら参照する、
というイメージがあるが、
この本はそれよりも、
「ミニ解説書」というイメージに近い。
前半は、バッハの時代の、
楽曲や演奏法の特徴を、
後半は、バッハの鍵盤曲、
具体的には、
『インヴェンションとシンフォニア』
『平均律クラヴィーア曲集』
『舞曲集・その他』
について、
曲の解釈と演奏法のヒントを、
それぞれ述べている。
ただ、正直、
解説書としても、
実用書(教科書)としても、
濃度というか密度というか、
コンパクトにまとめることを重視しているっぽく、
どうも中途半端、という印象。
前半はいらないから、
後半だけを2倍のボリュームにしてくれよ、
というのが本音ではある。
バッハの曲をピアノで弾く場合、
最後まで付き纏うのが、
アーティキュレーションについての問題。
単純なフレーズであっても、
それをレガートで弾くのか、
それとも一音一音を区切るのか、
どの程度テヌートさせるのか、
等々によって、
曲の印象も弾く難易度も、
全然変わってくる。
まぁ僕の場合は、
単なるおっさんの趣味なので、
弾く際には、
あまり深入りはしないことにしていますが、
でも音大生とか教師の方とかは、
ここに書かれているようなことは、
常に考えなくてはならないんだろう。
そう考えると、
やっぱりバッハは難しいな。
フーガにしたって、
この本に書かれているように、
テーマが出てくる声部を、
大きな音量で弾けば良い、
というわけではないし。