クラウディオ・ソアレス 著「新版ソアレスのピアノ講座 バッハ演奏ハンドブック」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス)
「ハンドブック」というと、
常にピアノの横に置いて、
練習しながら参照する、

というイメージがあるが、
この本はそれよりも、
「ミニ解説書」というイメージに近い。

前半は、バッハの時代の、
楽曲や演奏法の特徴を、

後半は、バッハの鍵盤曲、
具体的には、
『インヴェンションとシンフォニア』
『平均律クラヴィーア曲集』
『舞曲集・その他』
について、

曲の解釈と演奏法のヒントを、
それぞれ述べている。

ただ、正直、
解説書としても、
実用書(教科書)としても、

濃度というか密度というか、
コンパクトにまとめることを重視しているっぽく、
どうも中途半端、という印象。

前半はいらないから、
後半だけを2倍のボリュームにしてくれよ、
というのが本音ではある。

バッハの曲をピアノで弾く場合、
最後まで付き纏うのが、
アーティキュレーションについての問題。

単純なフレーズであっても、
それをレガートで弾くのか、
それとも一音一音を区切るのか、
どの程度テヌートさせるのか、

等々によって、
曲の印象も弾く難易度も、
全然変わってくる。

まぁ僕の場合は、
単なるおっさんの趣味なので、

弾く際には、
あまり深入りはしないことにしていますが、

でも音大生とか教師の方とかは、
ここに書かれているようなことは、
常に考えなくてはならないんだろう。

そう考えると、
やっぱりバッハは難しいな。

フーガにしたって、
この本に書かれているように、

テーマが出てくる声部を、
大きな音量で弾けば良い、
というわけではないし。