以前こちらで紹介した、
「東洋篇」の姉妹版。

トピックスは、以下の通り。

ピラミッドの国/古代オリンピック/アレキサンダー大王/クレオパトラの鼻/ローマ方法/十字軍/ルネッサンスの天才たち/ジョージ・ワシントン/フランス革命/ナポレオン/リンカーンとその暗殺/ビスマルク/第一次大戦/ロシア革命/第二次大戦

この本の魅力は、2つある。

1つめは、対談であること。

著者が事前に綿密に調べて、
推敲に推敲を重ねた著書とは違い、

対談という形式では、
思わぬホンネが飛び出すことがある。
(もちろん事後に編集されてはいるだろうが)

そして2つめは、
昭和41年発刊という古い本であり、

対談メンバーには、
明治生まれの人もいるということ。

第一次大戦やロシア革命を、
リアルタイムで経験している人の話を聞けるというのは、
それだけでも貴重であろう。

特に印象的だったのは、
最後の「第二次大戦」の章に登場する、
加瀬俊一氏の話。

加瀬氏は松岡洋右外相の右腕として、
戦時中にヒトラーとも面会し、

ラインラント進駐について、
ヒトラーが随分と悩んだ様子などを語っている。

また、松岡外相が、
日ソ中立条約に次いで、
日米中立条約を締結しようとしていた様子など、

まさに「歴史の当事者」による話は、
それはまだ歴史たり得ない程生々しく、

おそらく現代の歴史学者の考えとは、
良くも悪くも異質なのだろう。
(僕は歴史が専門ではないので、
詳しくは分からないが)

大学受験で学ぶ世界史は、
あくまでもアウトラインに過ぎないが、

こういう本で、
特定の話題について深堀りすることで、

それまでは見えなかった事件の裏側や、
意外な文化のつながりなど、

自分では気付けなかったあれこれが、
いろいろと見えてくる。

東洋篇・西洋篇を通して、
歴史の面白さをあらためて実感させてもらった。

我々が未来を語るためには、
やはり歴史を知らなくてはならない。

実家で処分されようとしていたこの古本を、
偶然にもサルベージできてラッキーだった。