映画「Viva!公務員」
2015年・イタリアのコメディ映画。

原題は「Quo vado?(どこへ行く?)」で、
かの有名な「Quo vadis?」(こちらはラテン語)を、
もじったのだと思う。

主人公のケッコは、
独身で両親と暮らすアラフォーの公務員。

リストラ対象となるが、
頑として退職届にサインはせず、

嫌がらせである僻地への左遷も、
率先して受けて入れていた。

しかし、次の辞令は北極圏である、
ノルウェーの基地への赴任。

さすがのケッコもこれには参り、
降参して帰ろうとしたところ、

そこに現れたのは、
美人のビジネスパートナー。

彼女にすっかり惚れ込んだケッコは、
週末に彼女の家に行くことに成功するのだが、

そこには想定外の、
子供が3人もいてさぁ大変。

しかし、公務員を辞めたくないのと、
彼女のことが好きなのとで、

持ち前の「ラテン男」は封印し、
すっかり北欧生活に溶け込むことに成功する。

まぁそこからは、
両親をノルウェーに呼んだり、

彼女とその子どもたちとともに、
イタリアに戻ったり、

ドタバタ劇ののち、
最後はアフリカでのハッピーエンドとなるわけだが、

この映画のテーマはズバリ、
「異文化コミュニケーション」。

僕も含めて、
日本人には理解しきれない部分もあるが、

おそらく主人公は典型的なイタリア人で、
その彼が、ノルウェーという、

同じヨーロッパでも、
まるで対照的な国で、
いかにアイデンティティを保ってゆくのか、

ここが最大の見所なんだと思う。

最後はアフリカが舞台になるが、
これはあくまでオマケであって、

やっぱり北欧と南欧という、
このコントラストを、

料理、恋愛、サッカー、気候などなど、
様々な視点で描いているのが、
誠に興味深い。

最初の20分ぐらいは、
なかなかノリに付いていけなかったけれど、

そこを乗り越えれば、
実に楽しい映画。

インターナショナル万歳。

適正価格(劇場換算):1,800円