実話を元にした2009年のアメリカ映画。
ロバート・ダウニーJr.演じる新聞記者が、
路上でヴァイオリンを弾くホームレスに惹かれ、
実は彼が、
元はチェロ弾きのエリートであったことを知り、
統合失調症でもある彼の再起に、
力を貸してゆく、というお話。
うーん、、、
主役がベートーヴェン好きということもあり、
全編にベートーヴェンが流れるのは良いのだが、
やはり統合失調症という題材のせいか、
どうもすっきりしないというか、
いわゆる「感動ストーリー」にはなりきれていない。
まぁ辛口に言ってしまえば、
主演のジェイミー・フォックスが、
好き嫌いもあるかもしれなけれど、
僕は『ドリームガールズ』の頃から、
あまり好きではなく、
この映画でも、
ちょっと演技が素人臭かったかなぁ、
という印象。
やはりカタルシスがないのだろうな。
主人公が、
オーケストラに憧れて、
何度かリハーサルに参加したり、
演奏会を聴いたり、
というシーンはあるのだけれど、
肝心の、オケに参加して、
素晴らしい音楽体験を味わった、
という場面がない。
まぁ、実話がベースなので、
実際にそういうことがなかったから、
と言われればそれまでなのだけれど。
ということで、
素材は良いのだが、
料理を失敗してしまった典型例。
これは細かい点になるが、
劇中で、主人公がチェロの先生から、
「ベートーヴェンもいいけど、
バッハの無伴奏もいいよ」
と、楽譜を渡されるシーンがあるけれど、
ジュリアード音楽院に入ったほどの、
エリートチェロ奏者が、
バッハの無伴奏を弾いたことがない、
というのが果たしてありえるのかどうか。
適正価格(劇場換算):1,000円