ブライアン・グリーン 著「時間の終わりまで 物質、生命、心と進化する宇宙」(講談社)

宇宙の始まりから、
終わりまで。

そしてその間に生命が誕生し、
それが人間という知的生命へと進化、

意識が芽生え、言語を習得し、
芸術を嗜み、宗教に心酔する、

そのような、宇宙スケールの歴史と、
その間に繰り広げられる生命の歴史を、

「エントロピー」を軸に、
考察した本。

途中までは興味深く読めたのだが、

人間になぜ意識が芽生え、
そして言語や芸術、宗教が発生したのか、
あたりの説明から、

もはや科学ではなく啓蒙書のような、
観念的な話となり、

そしてその後に続く、
人類亡き後の宇宙と、
その終わりの解説部分が、

妙に感傷的でクドさも増して、
うーーん、イマイチだなぁ、、
というのが正直な感想。

しかも、肝心の「エントロピー」で、
徹底して貫いて説明するわけでもなく、

都合のよい部分は説明し、
そうではない部分は、
「エントロピー」を持ち出さないなど、

ちょっと粗が目立ってるかなぁ。

コンセプトは良いのだけれども、
ディテールをもっと磨き込んで欲しかった。