言わずと知れた、
英国スパイ・アクションシリーズの3作目。
「キングスマン」という秘密組織の成り立ちを、
過去に遡って描く。
前2作のような、
派手さはないにせよ、
第一次世界大戦前夜を舞台にした、
英露独をめぐるやり取りと、
参戦を迷う米、
という歴史事実をベースに、
そこに暗躍する悪の組織と、
それを食い止めようとする、
その後の「キングスマン」達の活躍を、
英国風の品の良さと、
適度なエグさという、
このシリーズならではの絶妙な組み合わせで、
上質なエンターテインメントとして、
うまく仕上げている。
日本の時代劇風(?)な、
チャンバラシーンも楽しめるし、
親子の家族愛や、
世界史の知識がないと小難しいストーリーも、
単なるアクション映画ではない、
深みをこの映画に与えてくれている。
それにしても前半の、
ロシアの陰謀を止めるために、
ラスプーチンを暗殺しにいく流れとか、
決断を渋るアメリカを、
参戦させて戦争を終わらせるところとか、
なんか今の、
ロシア-ウクライナ情勢と重なる部分があって、
その点でも見応えがある。
主演のレイフ・ファインズは、
ほぼ同時に公開された、
007シリーズの最新作にも、
「M」役で出演しているわけで、
その彼をこちらの英国スパイものでも、
主役として起用するのは、
なんとまぁ、大胆なキャスティング。
でも逆に、
あっちではあんな役なのに、
こっちでは、、と、
個人的には楽しめたので、
結果としてこの配役は成功なんだろうな。
決して、
ボー、っと楽しめるアクションではなく、
黒幕が分かったときの、
軽いサプライズもあるし、
第一次世界大戦についての、
最低限の知識を、
頭に入れておくことも必要かな。
適正価格(劇場換算):2,000円