伊・仏合作の、2018年のサスペンス。
カラヴァッジョの名画、
「キリスト降誕」の盗難事件について、
想像力を膨らませて映画化したのが、
本作品。
主人公の女性は、
映画製作会社の秘書で、
実は数々のヒット作品の、
ゴーストライターも務めていた。
そんな彼女に、
「キリスト降誕」盗難事件の、
真相を知る人物が現れ、
匿名で脚本化するように、
持ちかける。
やがてその脚本は、
絵画を盗んだマフィアの知るところとなり、
政界をも巻き込んだ、
スキャンダルへと発展する…
というお話。
ヨーロッパ映画独特の重厚感に、
イタリア的な明るさ・軽さが加わって、
ユニークなテイストに仕上がっていると思った。
ハリウッドのサスペンスにあるような、
練られたストーリーでもなく、
ドンデン返しがあるわけでもないのだが、
人物同士の微妙な綾とか、
押し付けがましくない絵画の魅力の伝え方とか、
一言でいえば「センス」、
センスの良い映画なのだと思う。
ドンチャン騒ぎのない、
いかにもヨーロッパな、
大人のサスペンス。
適正価格(劇場換算):1,500円