映画「ロスト・マネー 偽りの報酬」
2018年、USのクライム・アクション。

大金の強奪を目論む強盗団が、
ストーリーの中心なのだけれど、

通常の映画だと、
強盗団が如何にして強盗を成し得たか、

というところに、
スポットが当たるのだけれども、
この映画は、ひと味違う。

オープニングで、
リーアム・ニーソン率いる強盗団が、
いきなり任務失敗、

全員死亡という、
意外なスタートとなる。

この映画のユニークな魅力はここからで、
死亡した4人の強盗団の、
残された妻たち同士による、
濃厚なドラマが展開される。

多少ネタバレを含んで話すと、
4人の妻たちが、

夫たちが残した債務を取り戻すべく、
残されたノートに基づいた、
強盗計画を実行するのだが、

たとえば「オーシャンズ8」のような、
「女性だけの強盗団」というステレオタイプによる、
軽さやコメディ要素もなく、

重厚なストーリーと脚本で進むのが、
この映画の大きな見どころである。

強盗云々と並行して、
シカゴ市議会選挙のストーリーが、
この映画に厚みを持たせているのだが、

候補者のひとりを演じる、
コリン・ファレルの演技が、
個人的には、お見事と言いたい。

観る前は、
ドンパチのアクション映画と思っていたので、
良い意味で期待を裏切られたことになったが、

サスペンスというよりも、
女性の生き様を描いたドラマとして、

十分見どころのある作品として、
推奨したい。

適正価格(劇場換算):2,000円