松山ケンイチ、長澤まさみ主演、
2023年日本のドラマ映画。
介護士の斯波(松山ケンイチ)は、
自分の父親の介護に疲れ、
薬物で殺害したのをきっかけに、
自らが介護を担当する、
数十人の老人たちを、
次々に殺害してゆく。
彼にとっての殺人という行為は、
介護に疲れ切った家族のための、
「救い」。
だが、自らも認知症の母をもつ、
検事の大友(長澤まさみ)は、
いかなる人にも、
他人を殺す権利などあり得ない、
と断固主張し、
斯波への死刑求刑を、
決意する。
こんな話なので、
当然この映画は、
相当重い。
そして、殺人犯と検事の、
会話シーンがやたらと長いのが、
その重たさを、
さらに強めているわけだが、
でも実はこの会話シーンこそが、
この映画の見どころで、
一言発するごとに、
微妙に表情を変える、
両役者(松山ケンイチ&長澤まさみ)の演技は、
文字通り鬼気迫るものがあった。
普段TVといえば、
グリーンチャンネルしか観ない自分は、
長澤まさみという女優をみるのは、
馬のCMだけなのだが、
なんか、凄い演技する人なんだな、と。
対する松山ケンイチは、
自分の殺人は正義である、
という主張を繰り返すわけだが、
その主張のたびに、
微妙に表情に変化をつけているのが、
すげーな、これ、
プロの仕事だな、と。
というわけで、
既に名優と称してよかろう二人の、
キリキリするような絶妙なやりとりを、
ぜひ鑑賞していただきたい。
適正価格(劇場換算):2,400円