岡田健史・阿部サダヲ主演の、
2022年のサスペンス・スリラー。
17-18歳の男女を、
虐待のうえ殺害した罪で、
逮捕された殺人犯・榛村。(阿部サダヲ)。
彼は、自分が経営していたパン屋に、
通っていた若者を物色し、
殺害を繰り返していたが、
雅也(岡田健史)については、
まだ中学生ということで、
殺害の対象にはならなかった。
その雅也が大学生になった頃、
獄中の榛村から、
面会をしたいとの手紙が届く。
恐る恐る面会する雅也に対し、
榛村は、20数件の殺人事件のうち、
最後の1件だけは、
自分がやったものではないので、
是非それを調べてほしい、
と依頼する。
家庭事情などにより、
鬱屈していた雅也は、
榛村と何度も面会しつつ、
最後の殺人事件について調べるうちに、
自らに関わる意外な事実を知り、
事件は急展開を見せるとともに、
驚愕のラストへ向かう。
櫛木理宇という作家の、
小説が原作らしいのだが、
原作&脚本が優れているのだろう、
かなり見応えのある作品だと思う。
殺人犯が饒舌に語り、
捜査を示唆するという枠組み自体は、
アンソニー・ホプキンス主演の、
あれを思い浮かべてしまうが、
まぁ、それはどうでもいいぐらいに、
作品に惹きこまれる。
二転三転するストーリーと、
最後まで持続する緊張感、
そしてラストのちょっとしたオチという、
観る者を楽しませる要素を、
すべて備えていると思う。
阿部サダヲは、
相変わらずの大根演技だが、
岡田健史という役者の、
不安と恐怖の間を行き来する演技と、
その表情が素晴らしかった。
猟奇性、謎解き度、
ストーリー、キャスティング、
あらゆる面で、
この作品は評価できると思った。
うん、これは見なきゃ損。
適正価格(劇場換算):2,400円