ヒッタイトといえば、
鉄器と戦車、
と世界史の授業では、
習った気がするが、
そのような教え方をするのは、
この本によれば、
日本だけだという。
歴史への登場から、
その滅亡も含めて、
何かと謎が多い印象のある、
ヒッタイトであるが、
ミステリ―要素を排し、
ヒッタイトの「真の姿」に、
考古学的にアプローチした、
有意義な一冊。
ヒッタイトに限らず、
西アジアや中央アジアは、
欧米の歴史よりも古く、
かつ日本からも(欧米よりは)近い、
にもかかわらず、
どうしても疎遠になりがちなのは、
あまりにも国の興亡が、
目まぐるしかったせいではないか。
西アジアだけをとってみても、
ヒッタイトやらアッシリアやら、
バビロニアやら、
数々のイスラム王朝…。
世界史の勉強において、
とにかく覚えることが多すぎて、
気付けば苦手意識が芽生えてしまう。
現代にしても、地政学的に、
穏やかとは言い難い場所だし、
とにかく、
我々日本人にとって、
盲点となりやすいエリアであることは、
間違いない。
そんな意味でも、
まずは西アジアの古代史を、
学ぶ必要があるわけだが、
その過程において、
ヒッタイトを知ることは、
避けて通ることはできず、
本書は入門書として、
まさに最適だろう。