ピエール・バイヤール 著「読んでいない本について堂々と語る方法」(ちくま学芸文庫)
タイトルからして、
ハウツー要素が強いのかと思いきや、

実際は、
しっかりとした「読書論」。

「読んだ」には、
様々なレベルがあり、

「読んでない」にも、
様々なレベルがある。

ではそもそも、
「ある本を読んだ」
とは、何を意味するのか。

要は、
「ある本を読んだ」とは、
主観的な判断であって、

たとえば、
一字一句漏らさず読んだといって、
中身が頭に入ってこないこともあれば、

目次と解説さえ読めば、
十分理解できることもある。
(さらに時間の短縮にもなる)

だったら、
わざわざ時間をかけて、
まるまる一冊読む必要なんて、
ないんじゃね?

むしろ、
少しだけ内容を齧って、

足りない部分は、
自分の頭で補完する、

それも立派な「創造」だよね、

っていうのが、
この本の主旨。

・・・と、
ここまで書いてきて思ったのだが、

確かにこのレベルの紹介であれば、
何度も寝落ちしながら全部読まないでも、

流し読みで十分だったし、
何なら、解説だけでも…

ということは、
この本に書いてあることは、

かなり正鵠を射ている、
ということなのだろう。

自分の場合、
古典とかミステリーとか、

「読むこと自体」に、
楽しみがある読書以外は、

あまり時間をかけても、
無駄なのかもしれないな。

知識を得たいのであれば、
いまやAIに聞けば、
答えてくれるし、

あとはその事実の、
裏にあるものや、
あれこれを、

想像&創造することに、
貴重な時間と頭を、
使うべきということで。

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