
ガラパゴス諸島に上陸した、
チャールズ・ダーウィン一行。
生態系の調査の最中、
連続殺人事件が発生、
探偵役となったダーウィンが、
意外な犯人、動機、殺害トリックを、
解明する。
ダーウィンといえば、
「適者生存」。
「適者生存」とは、
クローズドサークル・ミステリーにおいて、
何とも意味深な言葉ではないか。
しかも舞台は、
誰もが知る歴史の一幕、
非常に興味があった反面、
もしかしたら失敗作の可能性も高い、
そう思って読み始めた。
ズバリ、杞憂だった。
ミステリーとしての完成度の高さは、
言うまでもなく、
歴史小説としての深みも、
兼ね備え、
そして何よりも、
気品がある。
その気品は、
作中の某人物によるものだけれども、
それはつまり、
人物描写にも優れている証左でもある。
さらに褒めるならば、
進化論の要諦を、
小説の形で、
このように表現していることに、
敬意を表したい。