「理科年表」を買ったのは2回目で、
前回のは平成16年版だから12年ぶりの買い替えであり、
日進月歩の科学の世界で12年も経てば、
まったく別物のデータといっても過言ではない。
だから新鮮な気持ちでページをめくってみた。
いまやウェブで検索すれば、大概のデータは取得できるはずだが、
やはり書物として一覧性があると、思わぬ発見をすることがある。
それと、ネットというのは、
必要性に応じて検索する「自発的メディア」であるのに対し、
本は、何気なくページをめくるだけで、
「受動的」に内容を吸収できるというメリットもある。
面白いデータがあった。
「動物の可聴範囲」というデータで、
各動物の聴覚が反応しうる周波数の範囲が挙げられている。
たとえば、ヒトは0.031~17.6(以降、単位はすべてkHz)。
それに対し、ブタが0.042~40.5ということは、
低音に関してはヒトとほぼ同等だが、高音域が広いことが分かる。
さらに、ヨーロッパイエコオロギは、2~18。
昆虫は超音波でも聞き分けるのかと思っていたら、
意外とそうではないらしい。
コオロギのような音を出す昆虫は、
その音に対してアンテナが最適化されているということなのか。
とまぁこんな具合で、ひとつのデータ表を眺めるだけでも、
いろいろな発見があり、知的好奇心を広げてくれる。
次に買うのはまた何年後かになるかもしれないが、
それまではこの平成28年版を常に手元に置いておこうと思う。