天体に関する古今東西の伝説・逸話を、
50音順に紹介している。
星たちに対して、
天文学や天体物理学的アプローチを試みた本は山ほどあるが、
本書のように、民俗学・文化史的にまとめた書物は、
意外と少ない。
星座や星に対する捉え方は、
世界各地・各民族に共通するパターンがあることは、
この本を読めば容易に分かる。
中でも注目したいのは、
「かつて太陽は2つ乃至3つ存在していた」という伝説。
もしかしたら、実は「ネメシス」のような伴星が、
太陽にはある(あった)のではないかと、
ちょっとワクワクしてしまう。
大人になって、ましてや東京で、
夜空を見上げることなどなくなり、
子供のころのように、
プラネタリウムに通うこともなくなった今、
僕としては、こういう本を読むことが、
心の癒しでもある。