「男に付きまとう男」を描いた異色のスリラー。
性的な要素が(ほとんど)ない、
男に対する男のストーカーという点が、
この映画の「キモチワルサ」のポイントとなっている。
主人公のサンディは売れっ子作家だが、
万引きがやめられないという病気(?)を抱えている。
ある日、万引き現場を警備員のロバートに捕まってしまい、
警察に通報されることだけは許してもらうが、
それ以来、ロバートによるストーカー行為が開始される。
お互いに相手の弱みを握っては優位に立ち、
逆に弱みを握られては懇願し、
まるで中学生のカップルのやり取りを見ているかのような、
苛立たしさと馬鹿馬鹿しさを感じるのが、
普通のスリラーとは違う、新次元の気味悪さというか。
作家にしては冴えないサンディの秘密も、
クライマックスで明らかにされるが、
でもラストはちょっと間抜けすぎるというか、
あぁ、結局はお似合いのお友達だったのね、、と。
共感できるタイプの役者をキャスティングしているわけでもなく、
サンディとロバート役も、
次第に昂ぶってくる心理的ストレスを上手く演じていて、
その辺りは、B級映画ならではの醍醐味だろう。
鑑賞後もそれほど不快感は残らないし、
かといって深い感慨も残らないし、
毒にも薬にもならないと言えばそれまでだが、
男性諸君には是非一度見てもらって、
このムズムズ感のようなものを味わってほしいかも。
適正価格(劇場換算):1,400円