フォン・デニケンなんて読むのは、20年ぶりぐらいかな。
フィクションとして読むのであれば、結構楽しめる。
エノク書、ヴォイニッチ手稿、モルモン教、エクアドル・・・
これらを強引につないで見せる妄想力は、
さすがというほかない。
彼のような「自称・古代文明専門家」の特徴ははっきりしていて、
まったく関係のない事柄から、似ている箇所を抽出し、
「ほら、共通点があるでしょ?それは超古代文明や宇宙人が・・・」
といった具合である。
そもそも、本来は無関係である事象に、
「とても無関係とは思えない」ような共通点が生じることは、
生物における収斂進化などにおいても起こりうることだ。
ましてや人間の考えること・作るものが、
結果として似ていたところで、何の不思議もない。
僕はフォン・デニケンや、
同じような妄想家のことがキライじゃないが、
ひとつ言いたいことがある。
それは、
古代の人が、あなた達以上に妄想家であったということを、
否定できますか?
ということ。
よく「古代の人が宇宙人なんてものを想像できたはずがない」とか言うけれど、
果たしてそうなのだろうか?
多くの情報に汚染された現代人以上に、
古代人の想像力は逞しかったのではないか?
「神は巨大な船に乗って、空からやってきた」と、
古代人が妄想していたとしても、何の驚きもない。
古代人は我々よりも想像力・創造力に長けていた、
という前提に立つならば、
現在「オーパーツ」とされているものの大部分は、
決して場違いな存在なんかではないことに気が付くだろう。