2015年のアメリカ映画。
原題は「Solace」(慰め)なのだが、
「ブレイン・ゲーム」などというタイトルが付けられたせいで、
安っぽい印象を受けてしまいがちだけれども、
実際はかなり重めのサスペンス・スリラー。
ただ、この作品にはひとつ大きな問題点があって、
それは事件を解決する側、そして犯人までもが、
「過去や未来を見れる超能力者」
だということだ。
それによるストーリーや脚本の破綻はないが、
この非現実的な設定を、嫌う人はいると思う。
ざっとストーリーを紹介しておくと、
不可解な連続殺人事件にFBIはお手上げとなり、
今は隠居中の「超能力者」、
ジョン博士(アンソニー・ホプキンス)に捜査協力を依頼する。
捜査を進めるうちにジョン博士は、
犯人(コリン・ファレル)が、
自分以上の超能力の持ち主であることを知り、
一度は捜査から降りる気になるが、
友人の捜査官が撃たれ、
さらにある晩、目の前に犯人が現れ、
犯行の目的などを聞かされるうちに、
博士は戦うことを決断、
遂に犯人を追い詰めるのだが…。
超能力というSF要素と、
猟奇殺人事件というサスペンス・スリラー要素、
そこにさらに、家族とか尊厳死といった、
シリアスなテーマのドラマ要素までが加わって、
なかなか奥行きのある作品に仕上がっていると思う。
あとは何といっても、
名優、アンソニー・ホプキンスの存在が大きいでしょうね。
どこかでも書いた気がするけれど、
眼力で演技するとは、まさにこのこと。
上述した3要素の絡み合う難しい役回りを、
見事に演じている。
もともとは『セブン』の続編として構想されていたようで、
なるほど雰囲気は似ているし、
『羊たちの沈黙』とか(あれもアンソニー・ホプキンスか)好きな人には、
おすすめしたい。
適正価格(劇場換算):1,600円