昭和40年前後にNHKラジオで放送された、
歴史の専門家による座談会を、
書き起こして本にしたものらしい。
古い本であるが、それもそのはずで、
先日実家に帰った際に、
父親が処分しようとしていた本の中から、
頂戴してきた。
テーマとしては、下記の通り。
釈尊/孔子と孟子/秦の始皇帝/司馬遷の世界/長安の月/敦煌/成吉思汗/西遊記と水滸伝/康煕・乾隆/孫文/北清事変/宦官/毛沢東
言うまでもなく、
東洋史は中国中心の歴史であるので、
「釈尊」「成吉思汗」以外のテーマが、
すべて中国のものであることは、
当然といえる。
この本を読んで興味深かったのは、
昭和40年頃に行われた座談会ということもあり、
語り手の中には、
戦時中やその直後を中国で過ごした人もいて、
座学で得た知識だけではない、
生々しい体験談を読めたことである。
それにしても、
現在の中共の良し悪しは別として、
中国という巨大で強力な「文化の源」が、
我が国のすぐ隣にあるということは、
幸であっても不幸ということはないだろう。
そしてその文化の偉大さを、
様々な角度・トピックスで知ることができるのが、
この本の魅力である。
そして、かの国の歴史や文化から、
現代日本人が学ぶべきことが、
まだまだ多いことを痛感させられた。