浮世亭主人、いざ出かけむ、と思ひ立ちて外に出でにけるが、

思ひのほか風の強く冷たきに困じて詠みける、

これでもか これでもかと 風の刺す

自ら評して曰く、風の刺すとは耳慣れぬ句なれども、苦しからず。

初句また次の句にて勢ひある語を続けたらむこそ、よろしけれ。