2007年アメリカのサスペンス・スリラー。
1960年代~70年代に実際におきた、
連続殺人事件(通称:ゾディアック事件)を元にした、
ノンフィクション小説『ゾディアック』が原作。
何せネタとなっている事件が、
未解決であるために、
当然この映画でも、
伏線回収とか、ドンデン返しで真実判明とか、
そういうスッキリとした展開はなく、
最後の最後まで、
消化不良のまま終わってしまう。
ただ、3時間近い時間をかけて、
捜査する側の執念や、
記者を含めた関係者たちの尽力を、
できる限り丁寧に描こうとしており、
決して飽きることはない。
後半になるにつれて、
だんだんと容疑者も絞り込めてくるのだが、
情況証拠は揃っていても、
指紋や筆跡などの決定的な証拠が出ないところが、
観ているこちらも、
捜査側と同じくイライラとさせられる。
そのイライラ感wも含めて、
この事件の残忍さというか特異さを、
うまく表現した映画だと思っていて、
原作は未読だが、
デヴィッド・フィンチャー監督は、
さすがの腕前、といったところか。
同監督の作品でいえば、
『セブン』に若干似ていなくもないかな。
ただ一点だけ腑に落ちないのが、
映画終盤に主人公が、
「犯人は二人じゃないのか?」と、
真相(?)に迫りそうになるのだが、
それ以上その点には踏み込まれなかったのが、
やや勿体ない気も。
とりあえず、事件を追いかける、
警察&マスコミドラマとしては、
かなり上出来の部類だろう。
ちなみに、Wikipediaによれば、
犯人からの暗号文は、
ようやく昨年解読されたようで、
事件から50年以上経った現在でも、
犯人についての証言等が、
警察には寄せられているという。
適正価格(劇場換算):2,000円