2004年のアメリカ映画。
一時期話題になった(?)、
一ヶ月間マクドナルドのメニューだけを食べ続けると、
体にどんな異変が生じるのかを、
実際に試してみたドキュメンタリー作品である。
肥満は万病の元であり、
USではそれが深刻な社会問題となっており、
そして我が国にとっても、
決して「対岸の火事」ではないということは、
もはや常識となりつつあるが、
この映画ではその原因をファーストフード、
しかもマクドナルドに絞り込んだというのが、
「敵を明確にする」という意味では、
とても分かりやすいのだけれど、
毎日毎食マクドナルドにお世話になる人は、
まずいないだろうから、
この実験は、
あくまでもエンタメの延長ということで、
科学的・医学的な価値は少ないと思われる。
そういう意味では、
似た趣向の映画なのだが、
2ヶ月間、毎日、
「世の中の平均摂取量」の糖分を摂り続けるという、
こちらの映画の方が、
だいぶ説得力があるだろう。
さて、この「一ヶ月間マクド」が、
どんな結果になったかは、
観てのお楽しみなのだが、
少しだけネタバレすると、
肝臓へのダメージが大きかったことに、
医者が驚いていたのが印象的だった。
アルコールの過剰摂取により、
肝臓へのダメージが蓄積することは常識だが、
マクドナルドを食べ続けるだけで、
同じ状態になるというのは、
医者曰く、
「理論的には頷けるけど初めてのケース」
とのこと。
そりゃそうだ。
この映画の主眼は、
「一ヶ月間マクド」そのものではなく、
現代の食生活の危険性について、
警鐘を鳴らすことにあるのだろうが、
最後に主人公が語るメッセージが、
「スーパーサイズ(特大サイズ)はやめようぜ」
だったのは、
ちょっとガッカリというか、
そうじゃないだろ、と。
タイトルもそうなのだけど、
途中から「スーパーサイズ」の注文に、
やたらとこだわって、
悪いのはマクドナルドの商品自体なのか、
それともデカいサイズなのか、
論点が曖昧になってしまっている。
ということで、
試みは評価したいが、
もっと練った実験・考察にしてほしかった。
ちなみに、実験開始二日目で、
食べきれずにリバースしてしまい、
吐瀉物まで映すのは余計だったかも。
適正価格(劇場換算):1,111円