「暦と数の話―グールド教授の2000年問題」(スティーヴン・ジェイ・グールド)

 

古生物学者のグールドとしては、かなり異色な著書。

西暦2000年を目前にして書かれており、
ミレニアムは2000年からなのか、それとも2001年からなのか、
そもそも自然の法則と暦は、どれだけズレているものなのか、

といったあたりの考察がメイン。

キリスト教徒ではない僕は、あのときはミレニアム云々よりも、
コンピュータの2000年問題の方が心配だったけれど、

テレビとかで世界の様子を観ていた限りは、
最後の審判が始まる、というような悲観的なものはなく、

新たなミレニアムを迎えるという、
祝祭的な色の方が濃かったように記憶している。
(メディアの取り上げ方が、偏っていただけかもしれないが)

最後の審判とか、ハルマゲドンとか、
2000年なのか、2001年なのか、は実はどうでもよく、
仏陀が入滅して56億7千万年後に弥勒菩薩が現れるということや、
2000年は、例外中の例外(400年に1回)の「うるう年」であったことの方が、
個人的には興味がある。

ともあれ、1年が「365.242189・・・日」という、
きわめて中途半端な値である以上、
正確な暦を作ることはあきらめなくてはならず、

現在の暦(グレゴリオ暦)であっても、西暦2800年には、
太陽の動きに基づいた実際の日付と、1日分のズレが生じることになる。

もし本当に「神」という存在がいるのであれば、
1年の日数はきっちり整数にして、
しかも7日(=1週間)の倍数にすると思うから、
やはり神はいないんじゃないかな・・・。

でももしかしたら、「神」が住んでる別の太陽系では、
1年が1日のきっちり整数倍(しかも7の倍数)になっているのかもしれない。

だとすると、そういう太陽系を見つければ、
そこには我々地球人に文明をもたらした、
知的生命体がいるのでは・・・

おっと、このテーマでSF小説が書けそうだ。

さて、グールド先生の結論は、

どっちみち正確な暦なんて作れないんだから、
ミレニアムとか騒いでも意味ないよ

ということ(だと解釈している)。

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