
言わずと知れた、
名作中の名作ミステリー。
ただ自分としては、
どうもこのタイトルに、
まったくそそられず、
やっと今になって、
読んでみたさ。
とにかく、
心理描写が凄い。
ミステリーとしての、
トリックは、
正直、
大したことはないが、
人物の会話、
心理描写、
そしてその心理を利用した、
トリック、動機。
物理的な仕掛けなどには、
まったく縛られず、
緻密な心理劇で、
読者を魅了してくれる。
特に前半、
ヒロインの寝室での、
元夫との、
息が詰まるような、
会話の応酬は、
まったく筋違いだが、
漱石の『明暗』における、
病室シーンの一コマを、
彷彿とさせる。
ミステリーというよりも、
文芸作品として、
完成度が高い。
そして、
作者36歳時の作品とは、
恐れ入った。