科学関連の新刊本は、酒をガマンしてでも、
買うべきだと思っている。
Webでggれば、結論はすぐに手に入るけれど、
科学の面白さは、積み重ねにある。
過去の巨人たちが築いてきた土台の上に、
最新の科学の知識を乗せることで、
今まで思いも寄らなかった世界が見えることがある。
(勿論、そのような世界がすべて書かれているとは限らない。
そこには知識と訓練が求められる。)
この本を最初に手に取ったとき、装丁の派手さ、
そして目次に書かれていた「アーサー王」「ピラミッド」等の語句から、
あぁ、これはそっち系の本だな、と直感した。
しかし新刊なので、読む価値はある。
そこにはどんな世界が拓けているか、分からない。
読むうちに、最初の直感がハズれていたことを、思い知った。
「そっち系」どころか、これは正真正銘の科学の本だ。
アーサー王やら聖骸布やらピラミッドの話というのは、
年代測定などの科学的アプローチを説明するためのデモンストレーションにすぎない。
この本の主眼は、タイトルにあるとおり「骨・岩・星」というハードに埋め込まれた、
科学的素材(ソフト)をいかに取り出し、いかに解釈するか、というところにある。
間違いなく、安ウィスキー2本分の、価値はあった。