ロッシーニの「セビリャの理髪師」は、
中学生ぐらいのときに、Overtureをよく聴いていた気はするけれども、
オペラ本体を通しで、
もちろんliveで鑑賞するのも、初めてのこと。
18・19世紀のイタリア・オペラなんて、
文字通り「星の数ほど」作られていたわけで、
そんな中で200年もの間演奏され続けてきた、
この「セビリャの理髪師」はどんなもんかと、
期待半ば、不安半ばで開演を待っていた。
幕が開いて早々、
最初のテノールのアリアで、早くもやられた。
ん、、、このオペラはスゴいんではないか・・・と。
曲が進行するにつれ、僕の興奮度は増していった。
正直、ソプラノやその他のアリアはオマケ程度に過ぎないが、
テノールのアリアは、全曲、名曲。
オペラの花形はテノールであると前々から思ってはいたが、
ここまでそれを実感できたのは初めてだ。
しかもこの曲を2週間(正確には13日)で仕上げたロッシーニという男は、
どれだけ天才なんだ・・・。
第二幕のフィナーレの直前に、
テノール版「夜の女王のアリア」とも言うべき、
いかにも超絶技巧のアリアがあるのだが、
それも難なくこなした今回の主役、
アントニーノ・シラグーザという歌手は、
若干声に貫禄が足りないが、
華のあるテノールには違いない。
共演した藤原歌劇団のフィガロ役の歌手も、
なかなかのもの。
やはりオペラはliveに限る。
ロッシーニ、凄い。